9/12 fri

最近レクチャーが多い。専門学校で教えていたときもそうなのだが、私は教えるのに向いていないらしい。といっても、教え方が下手で生徒から苦情が来るとか、そういう類のことではなく、私の体力の問題。3時間も人に何かを教える作業をしていると、目はしょぼしょぼ、喉は枯れるし息苦しくなる。つまり、ばててしまうわけだ。だから今から考えると学校の先生というのは(特に小中学校)ほんとに大したもんだと思う。





さて出発当日、出発の30分前にポートオーソリティーバスターミナルに着く。で、指定のゲート、地下3階の71ゲートに行くと、もはや長蛇の列。さっと数えても60人はいる。しかしバスなんて40人そこそこしか乗れないはずだ。この人数をどうさばくつもりだろう?と不安がよぎる。それで12時の出発だったのだが、やっと5分前にゲートが開く。どう考えても5分で乗れる数と人種ではない。案の定列は12時10分頃に一時停止。どうやら、乗り切らない場合は控えのバスをまわすようだ。そんなものこれだけ並んでるのだから最初にやっておけよ。出来ないのは知ってるけど・・と思いつつ後ろを見ると更に50人ぐらい並んでいる。で、私は運良く(?)2台目のバスに乗ることが出来たのだが、出発したのは12時30分。このぶんで行くと最後に並んだ人達は12時45分頃の出発になったはずだ。いやあ、このくらいでは、なにも感じなくなっている自分が恐い。(苦笑)

バスはお世辞にもきれいとは言えないまでも、(所々シートが破けていたりする)まあまあ不満はない。ちょっと驚いたのは、4〜5時間の行程を休憩をはさまずに走りきること。なんかプロは必ず2時間置きに休憩を入れて、事故の無いように努めるという概念のあった私にはちょっと驚きであった。で、途中少し渋滞はあったものの、おおむね快調に5時頃ワシントンに着く。ホテルは適当にとってもらったRed Roof Innsってところ。500 H Ave NWって書いてあったので、それ程遠くないかなと思って歩いてホテルに向かう。ワシントンは碁盤の目のような道の上から、斜めの大通りをクロスさせたような作りになっているので、馴れないうちはけっこう判りにくい。昔、斜めの道と縦横の道が交わる6差路に砲台を置いて、外敵の進入に効率的に備えた名残らしい。

Pict-1で、けっこう歩いて目的のホテルに着く。しかし、何かさびれている。ホテルがじゃなくて、まわりの雰囲気がさみしいのだ。どうやらこの辺はチャイナタウン(チャイナストリート程度の小さい一角)の端に位置するらしく、再開発中でやたら空き地が多いのだ。なんか、原爆ドームのようなさびれた教会もあるし・・・・(笑)マンハッタンでこれだけ空き地があれば、トランプが黙っていないだろうなあ。 

Pict-3Pict-2 で、荷物を置いて、「さ、観光観光!」と自分を奮い立たせ、とりあえず定番のホワイトハウスに向かう。色々なウエブページでワシントン旅行記を読んでいると、ホワイトハウスの中に入るには早朝から並んで整理券を手に入れなければならないらしい。当然そんなことをする気のさらさらない私は、外だけ見ればいいやと思って、今日のうちに見ておこうと思ったわけだ。チャイナタウンを抜けるときに、ニューヨークでも見慣れた「SUBWAY」や「STARBUCKS COFFEE」まで漢字に置き換えられているのに少し驚く。

ずんずん歩いてゆくとそれらしき建物に遭遇。でもなんか雰囲気が違う。きっとこれじゃないなと思い、一周して地図を見直すがどうやらこれがホワイトハウスらしい。私はてっきりどこかに大きく「White House!」って書いてあるに違いないと思っていたのだが、どこにもそんなことは書いていないことが判明。せめてお箸の国の共通語で「白的公家」とでも書いておいて欲しかった。

で、一応目的を果たしたわけだが、まだ日も高かったので、「そうだ、知恵遅れの森君が飛び込んだ水たまり(映画フォレストガンプで、彼が飛び込んだ、リンカーン記念館前のリフレクティングプールとも言う)でも見に行こう。」と思い付く。モニュメントタワーは小高い丘の上に立っているためすぐ発見できたので、その方向に歩いていく。

Pict-5 途中に色々な像が建っている公園があったが、その中の一つは写真のアングルから見ると、立ち小便をしているようにしか見えなかった。モニュメントタワーの真下まで到着したので、ついでに登ろうかなという考えもあったのだが、残念ながら終了していたので、そのまま森君のリンカーン記念館を目指すことにする。が、見てちょっと唖然とする。映画ではリンカーン記念館からのカットだったので、リフレクティングプールのすぐ横にモニュメントタワーは建っているものだと信じ込んでいたのだが、実際はものすごく離れていることが判明。目眩を覚えながらも「せっかく来たんだから」という貧乏観光客のノリ丸だしの考えで、リンカーン記念館の方向に向かう。

「しかし水たまりにタワーの反射を映し出そうなんて、よく考えるよなあ」と素直に感心しつつ、やたら細長い水たまりの横を歩いてゆく。途中ものすごく辛そうな顔をしたジョガーに何人かすれ違う。まあ、ニューヨークでFDRの横を走っているよりはよほど体には良さそうだが・・・・。

Pict-6 着いてみれば何のことはない。「そうそう、この風景」と一人で納得して終わり。(笑)横の写真を見ると、やはりモニュメントタワーはものすごく近くにある気がするぞ。帰ろうとすると中国人のカップルに「我等為写真撮影可能?」と中国語できかれる。だから私は中国人じゃないとゆーに。(笑)はいはい、と写真を撮ってやる。

帰りは、さすがに歩き疲れたので、まだ地下鉄に乗っていないことを思いだし、地下鉄マニアの私は地下鉄に乗って帰ることにする。で、地図を見ると・・・こんな有名な場所の近くに地下鉄の駅がないのだ。しかたなく北の方向にぼちぼち歩いてワシントン広場を目指すことにする。

Pict-7 23rd Stを北上してゆくと、途中で「サンダーバード」な建物発見。いやあ、60年代のアメリカって感じでグッド(笑)日本でもこういう無意味な建築がある時期はやったけど、いまは田舎の国道沿いでたまに見かけるぐらいで(概して喫茶店になっていたりする)少なくなっているのが悲しい。(日本のずれた建築物についてはばかけんちく探偵団をご覧あれ)

Pict-8 次に見つけたのがジョージワシントン大学の銅像。写真では分かり難いけど、やたら顔がでかくてアンバランスなのだ。これがそこら中に立っているのでちょっと夜中などは嫌だなと思う。で、サクサク歩き続けると地下鉄(Metro) の入口に着く。ちょっと深いところにあるが、エスカレータが完備されているので快適だ。作りから考えて、どうも非常時の核シェルターになっているような感じだ。まあ、核シェルターというには深度が浅い気がするが・・・で、乗るためには料金先払いな訳だが、ちょっとややこしい。ちょっと悩んだ末、プリペイドカードを買って、使用した料金だけそのカードから引かれていくという仕組みのようだと判明。だから、入るときと出るときどちらもカードを改札口に差し込まなければいけない。先のスケジュールが立ってなかったので、とりあえずホテルの近くの駅までの料金きっちりの額のカードを買う。(更にピーク時と平常時の時間が別れていて料金が違うようだ)

Pict-9 中に入って驚いた。無茶苦茶きれいなのである。ホームは合理的に作られているし、嫌味のないデザインでシンプルにまとめられている。乗り換えも少し歩くだけだし、表示も分かりやすい。さすがに他の都市を参考に新しく作られただけあるなあと感心する。一人で感動しているところに電車がやって来たので、乗り込むとまたまた感動することがあった。な、なんと車両がカーペット張りなのである。NYで地下鉄にカーペットなぞ張ろうものなら、一瞬にして、食べ物飲み物、ガムやタンまみれになるだろうに・・・・「やろうと思えば出来るんじゃん」とアメリカ人を少し見直した。手すりがべとべとでないのにも感動した。

続く(まだつづくんかい!)


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